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財務省権力の復活と拡大 [備忘録]

○ 日銀の独立性に国会議員から見直しの声が出て、その場にかつての財務次官がいる構図は財務省の力の拡大を象徴している。

○ 予算と税金を握る官庁である財務省の力は別格だ。
○ かつての大物次官であった斎藤次郎氏が日本郵政の社長に就き、
○ 2010年度予算はほぼ完全に財務省のペースで進み、
○ 最近では、同省の積年の目標である消費税率の引き上げに対する環境を整えつつある。
○ 完全民営化が予定されていた日本政策投資銀行はJAL等への政策的融資実績を積み上げ、民営化の先送りに成功した。
○ 政権交代後の民主党は、財務省に大変柔順だ。なぜそうなのかに関する筆者の推測は、小沢幹事長・鳩山首相のツートップが、それぞれの資金の流れに関する弱点を持っていて、国税庁を抱える財務省が弱点を握っているからだというものだ。
○ 郵貯の限度額を1人200万円に引き上げる方針も財務省の省益に合致している。

財務省の省益が明示的に書かれたものは存在しないが、官庁である以上、同省の影響力が継続的に維持されて、たとえば、OBの就職機会等が潤沢であること組織のインセンティブになりうる。そのためには、同省の裁量・影響が大きいことと、これらが将来も長く続くことが必要だ。この点から考えると、消費税率を引き上げて長期にわたる将来の財源確保が必要だし、国債の順調な消化も欠かせない。約180兆円に及ぶゆうちょ銀行の資産は8割が国債で運用されている。財務省にとって、郵便資金が急減するのは心配だろうし、郵便事業への税金投入も少ないほうがいいから、金融事業で採算を取る日本郵政の構想は歓迎されるはずだ。筆者は、現時点で財務省を批判したいわけではない。ただ、今後の経済・政治の動きを見るうえで、同省の意向に注目することがきわめて有効だと考えている。政治家は選挙で落ちるとただの人だし、民間企業には大きな盛衰と人の移動がある。数十年の継続性が保証されている官僚組織は強い。山は簡単に動かない。

----以上、山崎元氏の連載「マネー経済の歩き方」 4月24日付週刊ダイヤモンド より

----以下、4月24日付週刊東洋経済の「編集部から」の野村さん

(冒頭略)昨秋の事業仕分け開始時、マスコミは「スーパー官庁・財務省の復活」と書き、足元で民主党の増税議論が高まれば「財務省の思惑チラリ」と書く。官僚は行政組織の「社員」だからトップ(首相)が仕分けをすると言えば(嫌でも)その準備をします。客観的に考えて日本の国民負担率は極めて低く、それが財政赤字の最大の原因なのは明らか。国民生活を守るために増税することがなぜ財務省の「思惑」なのでしょうか。自省も含めて官僚不信を国民に刷り込んだジャーナリストの責任は大きいと思います。
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蟹は甲羅に似せて穴を掘る。
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